冷えとは

「冷え」は自覚症状が中心で、冷えの度合いを検査数値などで客観的に示すことができないので、定義が難しいものです。ご自身で冷えがひどいと思っていても、他人が手足に触れて温かく感じられるのなら、これは冷えとはいえません。逆に、まったく自覚症状がなくても、実際に手足が冷え切っている場合には、冷えといえます。

 人間は恒温動物なので、直腸温などの深部体温は常に37度くらいに保たれています。脳や内臓など生命を維持する部分の体温が35度以下になると生死に関わるので、身体は寒さを感じると末梢血管を収縮して、温かい血液を体幹部中心に循環させます。このため、一時的に手足が冷たくなっても、しばらくすれば元に戻るのが普通です。ところが、ひえに悩む人は、何らかの原因で末端の血行不良が続いてしまうのです。