花粉症対策と食事
免疫力の源は食事。規則正しく栄養バランスのとれた食事が基本です。
<腸に優しい食べ方のコツ>
食物と一緒に遺物が侵入しやすい腸は、免疫細胞の約7割が集合する体内最大の免疫器官です。
・よく噛んで食べる
噛むことで唾液の分泌が促進。唾液には消化酵素が含まれていて、胃腸での消化吸収を助けます。またしっかり噛むと、野菜に多く含まれるファイトケミカルという免疫活性物質をより多く吸収できます。一口30回噛みましょう。
・冷たいものは控える
冷たいものを食べると腸の働きが低下して下痢や腹痛などの原因に。また、消化酵素をはじめとした酵素が最も効率よく働ける温度は約37℃。冷たいものが体内に入ると消化酵素が十分に働かず、消化不良を招きやすくなります。
・腹八分目を心掛ける
食べ過ぎると胃腸がマヒし、回復するまでに3~4日かかると言われます。また、食べすぎは肥満の最大の原因です。肥満の人はある種の腸内細菌が少ないとの報告もあります。食事量は腹八分目程度に抑えましょう。
・いろいろな物を食べる
偏食をすると栄養バランスが崩れるだけでなく、腸内環境が悪くなります。それが誘因となって腸内細菌のバランスが乱れることに。特に肉食ばかりだとどうしても野菜不足になり、善玉菌が減り悪玉菌が増えてしまいます。
<積極的にとりたい食べ物>
腸が元気な状態であれば腸に集まる免疫細胞も活性化。その力をフルに発揮できます。
・腸内環境を整える食べ物
腸内環境を整えるのに役立つ食べ物が発酵食品です。ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌、漬物には乳酸菌、納豆には納豆菌が含まれます。発酵食品以外では、ビフィズス菌や乳酸菌が配合されている青汁などもあります。
・腸内細菌のエサになるオリゴ糖
腸内環境を整えるのに有益な働きをする腸内細菌の好物がオリゴ糖です。多くのタイプが消化酵素に分解されずにそのまま腸に届きます。ゴボウや玉ねぎ、バナナ、大豆などの豆類などに多く含まれるほか、甘味料としても売られています。
・2種類の食物繊維(第六の栄養素と言われるのが食物繊維です)
(1) 腸内細菌のエサになる水溶性食物繊維
腸内細菌によって発行することにより、乳酸菌などの善玉菌を増やします。また、粘りが強いので腸内の不要物を吸着し排出を促します。コンブやわかめ、こんにゃく、大麦などに含まれます。
(2) 便のカサを増し腸内環境を整える不溶性食物繊維
腸内に便がたまると免疫細胞の働きが鈍ります。不溶性食物繊維は腸内の水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やして便通を促します。穀類や豆類、野菜、ココア、きのこなどに含まれます。
<こんなことにも注意>
花粉症の症状を少しでも軽くするために、こんなことにも注意しましょう。
・アルコールやスパイスで症状が悪化
この時期、花粉症の人の鼻粘膜は過敏になっているので、さらに刺激する要因を加えると症状が悪化。アルコールやスパイスは血管を拡張して鼻粘膜をうっ血させるので、鼻づまりがひどくなります。
・積極的にとりたい油
魚油に豊富に含まれるDHAやEPA、しそ油やえごま油、亜麻仁油に多いαーリノレン酸などのオメガ3脂肪酸は、アレルギー症状を緩和します。酸化しやすいので生の状態での利用がおすすめ。
・花粉症と口腔アレルギー
花粉症の人の10人に1人が、特定の野菜や果物を食べた後に口や唇、のどがイガイガしたりかゆみが生じたりする口腔アレルギー症候群を発症するとの報告が。花粉症での口の中に症状がある場合は医療機関を受信して。