転倒の要因

 高齢者が転倒しやすい要因として、大きく2つ挙げられます。1つは、膝や腰が曲がり、重心が中央ではなく前よりになっていること。体を支え切れずにふらつき、体勢を整える間もなく斜め前の方向に転んでしまいます。もうひとつは、下肢筋力の低下です。膝を支える筋肉が弱ったり、足首周りが硬くなるため、本人は足をあげたつもりでも実はあまり上がっていないということが起こりがちです。畳のへりなどのごくわずかな段差に足をとられたりするのは、こうした理由からです。
 また、視力が弱っていることも転倒の誘因となります。高齢者の場合、若い世代と比べて明所と暗所の変化に順応しづらくなるため、明るいところから急に暗いところへ出た時、あるいはその逆の場合に視界が悪くなります。特に、夜中は体のこわばりが起きがちなので、深夜にトイレに行く時など転倒リスクが高まります。暗いところではすぐ行動せずに少し立ち止まって、目が慣れてくるのを待つことが大切です。壁や手すりをつたいながらゆっくりと歩くことに加え、足元を照らす常夜灯などを利用するなどの工夫も、ぜひ検討してみてください。

⇒ 健康・ダイエット・医薬品のページ