血液の質
私たちの体の中を流れる血液の総量は体重の約8%。つまり体重が60kg の人であれば約4.8リットルもの血液が休む間もなく、全身くまなくかけめぐっていることになります。血液は、液体成分である血漿と細胞成分である血球に大別され、血漿は栄養素を運搬する流れを担い、血球は赤血球や血小板、白血球といった生命活動を支える細胞を含んでいます。血液のサラサラ度は、この細胞たちの健康状態と、流れのスムーズさによって決まります。
一方血管は、心臓からの幹線道路である動脈と静脈という太い血管と、そこから枝分かれした毛細血管に大別。この微細な血管を血液がスムーズに流れることで、髪の毛から足のつま先といった末端まで酸素と栄養素が運ばれます。加齢により血管は硬く、弾力を失ってしまいますが、若くても生活習慣が乱れていては流れる血液がドロドロ化し、これが血管そのものを年齢異常に老朽化。さらなるドロドロ化を進行させてしまうのです。
血流の滞りや血管の老化は、外からはわからず、自身で自覚するのは難しかったのですが、近年、血流のスムーズさを本人も目で見られる測定装置や、血管の老化を血管年齢という形でわかりやすく測定できる測定器も着々と普及。人間ドックやメタボ検診などで機会があれば、是非1度検査を受けてみましょう。今まで血液検査で問題なかったと油断していた人も、そのリアルな実情を目にすると、このままでいいのかときっと自覚するのでは。
血液は健康のバロメーター。その流れこそ、全身のあらゆる健康につながっていますが、そう意識されはじめたのも、つい近年のこと。マスコミに流れる血液ドロドロという言葉や画像に踊らされることなく、なにが原因で、その状態も人それぞれどう違うかをまずは理解することが大切です。そうすればおのずと食事など生活習慣の改善点も明確に。ドロドロが動脈硬化など深刻な病気になる前に、さらさらを意識した生活に切り替えましょう。