肝機能

近年、人間ドックなどの検診で肝機能異常の診断を受ける人が増えています。その数は検査を受ける人の4人に1人といわれるほど。特に注目したいのは、これがお酒をよく飲む人に限ったことではないというところです。お酒をまったく飲まない人にも、従来割合が少なかった女性の方にも、肝機能異常の傾向が強まっているのです。
 例えば、体がだるい、肌の色やツヤが悪い、食欲がないといった症状では、「最近、疲れているからなあ」というふうに自分の中で納得してしまい、それくらいのことで病院でチェックするまでもないと考える人がほとんど。そしていつか、検診結果で初めて自分の肝機能の異常を認識する場合が多いようです。
 肝臓は沈黙の臓器と呼ばれることでわかるように、我慢強く、ギリギリまで痛みなどのSOSを発しません。でも、肝機能の不調や衰えは、誰にでもわかる数値としてはっきり現れます。それが健康診断や人間ドックの血液検査。肝臓に無理をさせれば、それ相応の値が出てそのツケは痛みがなくとも徐々に蓄積されています。
 この肝臓からのサインを真摯に受け止めて回復を図るか、そのまま放っておくかが、大きな分かれ道。自覚症状が出たときには病気がかなり進んでしまった場合ですから、そうなる前に検診結果を胆に銘じ、肝臓の声なき訴えに耳を傾けることが肝心です。健やかな体で毎日を元気に過ごすために。それが一番の近道なのです。

→ 肝機能障害対策