春の山野草

 他にも春の野草には、薬効のあるものがたくさんあります。たとえばヨモギは、漢方で健胃、貧血、下痢の薬として使われますが、草もちや薬用茶の材料となります。
 また、タンポポは胃の傷みを抑え、消化促進の薬効があるとされますが、葉はサラダ、花は甘酢漬、根はせんじてコーヒーのように飲めます。
 さらに、酢の物や佃煮でしられているツクシには、利尿、解熱、咳止めの効能がありますし、みそあえで食べるとおいしいノビルは強壮、鎮痛剤として伝えられてきました。
 こうした生活から生まれた食の知恵は、江戸時代の薬と医療のための博物学である本草学の学者たちによって、かなり体系的に整理されました。今日に伝わる食養生の知識もその土台の上にたったものです。
 
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