脳年齢

 最近は20代でも、物忘れがひどいからと来診する患者さんが増えています。商談の途中に言葉が出なくなる、受けたばかりの電話の内容を忘れてしまうなど、働き盛りの方たちや同僚や家族から指摘されて受診するというケースです。こうした症状を若年性健忘症と呼んでいます。高齢者の認知症と違い、物忘れ以外の症状はありませんし、認知症に進むということもありません、社会生活に支障をきたすのは事実です。

 人間の脳には個体差はありますが、環境によってつくられる部分も大きく、日々の生活や刺激により訓練されます。私たちを取り巻く環境が、脳をきちんと鍛えられなかったり、脳にとってよくないものに変化していることが、若い人にも物忘れが増えている原因の一つだと考えられます。
 たとえば、インターネットを利用するようになって物覚えが悪くなったという声をよく聞きます。
 調べ物をするのに以前は書店や図書館へ出かけて、本のページをあちこちとめくっていたのが、いまではインターネットの検索サイトでキーワード検索をし、お気に入りに登録して終わりです。これではあまり脳を使ったことになりません。

 短時間で頭に入ったものは同じスピードで忘れてしまいます。学生時代に、手間と時間をかけて覚えた公式を忘れないのはそのためです。検索サイトで得た情報も、プリントアウトしてしっかり読んで、自分の知識にすることが大切です。
 また、夜更かしによる睡眠不足や不規則な生活も、人間の生体時計のリズムを狂わせ、脳を休める時間がなくなります。そのほか、ひととのコミュニケーションが少ない生活も、脳の使い方が偏ってしまうので、よくありません。

 物事を理解したり、考えをまとめたり、行動を決定したりするのにつかわれるのは前頭葉という脳の表面積の約40%を占める領域です。
 目や耳から入った情報は頭頂葉、側頭葉、後頭葉を介して全投与に集められます。前頭葉では、集められた情報を処理し、さまざまな選択や判断を行います。インプットされた情報を処理し、思考や行動として処理・アウトプットするのが前頭葉というわけです。ですから考えない生活を続けて前頭葉をあまり使わずにいると、うまく機能しなくなり、ひゃん弾力が鈍るなどの弊害が生じます。
 しかs、前頭葉だけを使っていればいいというわけではありません。前頭葉がうまく機能するためには、情報をインプットする際に頭頂葉、側頭葉、後頭葉とうまく連携する必要があります。脳を1本の木と考えるなら、どの葉にも日光がゆきわたるよう、バランスよく脳を使うことが大切なのです。

 脳は、人体に取り込まれた酸素とブドウ糖の約20%を消費するといわれます。脳ではそれだけのエネルギーを必要とするわけです。
 また、脳の末梢血管にまで血液をゆきわたらせ、酸素やブドウ糖を運搬しないと、脳をバランスよく隅々まで働かせることはできません。
 バランスのよい栄養摂取とスムーズな血流を保つことが、脳をフル回転させるために必要なのです。

脳チェック

該当することが5つ以上あったら、脳の活性化を心がけましょう

□ 筋道をたてて考えるのが苦手になった
□ 会議に出ても内容を覚えていない。
□ 予定や計画をたてるのが面倒
□ 地図を見ても道によく迷う
□ 情報を勘違いすることが増えた
□ 世間の出来事や流行に関心がなくなった。
□ アレ、ソレなど代名詞をやたらと使う。
□ 雑誌以外はほとんど読まない
□ 周囲の人との会話が少ない。
□ 時間に遅れることが多い。


 子供のころに覚えたことは忘れないのに、テレビでよくみる芸能人の名前など、最近のことはどうしても覚えられない・・・そんな経験はありませんか?
 でも、それは年のせいと落ち込む必要はありません。大人になると、子供のころのようにがむしゃらにものを覚えようとはせずに、覚える情報を選択しているからです。戦略的記憶といって、必要な情報を取捨選択しているのです。つまり、仕事の重要事項などはしっかり覚えようと脳が働き、芸能人の名前などは覚えないというわけです。

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