関節の健康
関節の役割
関節は人間の身体にある骨と骨のつなぎ目。私たちが自由に身体を動かすことができるのは、体を支える骨と、骨を滑らかに動かしている関節のおかげです。
関節の内部では、硬い骨同士が直接ぶつからないように、軟骨が接面をカバーしています。軟骨を丈夫な袋状の関節包が包み、袋の内面をおおう薄い膜・滑膜は、潤滑油となる滑液を分泌しています。
関節は、ドアでいえばちょうつがいにあたります。ドアが硬い骨、チョウツガイが関節、チョウツガイの中心の回転する部分が軟骨です。
チョウツガイががたついたり潤滑油がきれていると、ドアはスムーズに開閉しません。同じように、関節が衰えたり滑らかに動かないと、思うように身体が動かせなかったり、関節が痛くなってしまうのです。
軟骨の磨耗
スムーズな関節の動きにとって重要な役割を果たすのが、プロテオグリカンという成分です。
軟骨は、プロテオグリカンとⅡ型コラーゲンが主成分で、網目状のⅡ型コラーゲンの間をプロテオグリカンが満たして、柔軟で堅固な構造をつくっています。そして、プロテオグリカンに含まれるコンドロイチン硫酸という成分が滑液を充分に蓄えることによって、関節は滑らかに動きます。このプロテオグリカンは、グルコサミンなどの成分が軟骨の細胞を刺激することにより、合成が促進されます。
加齢によってプロテオグリカンの合成能力は低下し、軟骨が磨耗します。また、極端なダイエットや偏った食生活、運動不足も軟骨を衰えさせる原因になります。
関節の健康
関節の衰えが痛みとなって現れやすいのは、体重を支える膝や股関節、背骨の関節など。関節を元気に保つポイントは以下。
筋力を保つ
身体を動かすには、骨や関節だけではなく筋肉の働きが必要。関節に負担をかけないように、筋力をキープしましょう。膝や股関節には30分程度のウォーキングを。関節にかかる負担が気になる人は、水中でのアクアウォーキングがいいでしょう。
体重管理
膝や股関節への負担になるので、太りすぎは禁物。ただし、急激なダイエットは骨量を減らしたり、関節にとっても逆効果なので、ゆっくりとムリのない減量を。
食生活
軟骨の材料になったり、その働きをサポートする成分は、加齢とともに体内で合成しにくくなるため、ふだんの食事などから充分とるように心がけたいものです。
軟骨の成分でもあるコンドロイチン硫酸はすじ肉やうなぎ、さけの中骨に、コラーゲンは手羽先や牛すね肉、鶏がら、魚の皮などに多く含まれます。また、グルコサミンのもととなるキチンは、カニやエビの甲羅に含まれますが、グルコサミンの形で摂るとよいといわれています。
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