塩
塩の主成分である塩化ナトリウムは、生命の営みに必須の働きをもっています。
ナトリウムは体液の中にあり、カリウムと対になって水分量を適切なバランスで維持する作用があるほか、神経の刺激伝達や筋肉の弛緩にも関わっています。また、胃液などの消化液の成分でもあります。
汗をかくと、水分と一緒に体外に排出されますが、普通の生活で不足する心配はほとんどありません。ただし、スポーツなどをして大量の汗をかいた場合には、たくさんのナトリウムが失われてしまうので、適切に補給することが必要になります。
塩の浸透圧で食品中の水分が減ると、微生物などの増殖が抑えられ、保存性が高まります。漬け物や塩辛などの塩蔵品は、気候や風土の関係で、長期間食料の確保が難しくなる状況で工夫されてきた生活の知恵です。